9-2 どうしたらいいの?【辿り着いた過程】

 

1 自分を知ることは生きること

 心の中には、「思い込み」、「決め付け」、「定義」があります。過去において、躾や教育、宗教や様々な体験を通じて、培ってきた心の中を縛っている物事の考え方や捉え方です。その「思い込み」、「決め付け」、「定義」を毎日少しずつ更新しています。

 例えば、親から嘘を付いてはいけないと躾られ、嘘は悪と定義している子供が、嘘をついても楽しく遊んでいる友達を見ます。その子供は、「嘘をつくと楽しそうだ」とか「嘘は悪いのかな」、「嘘をついても怒られないのかな」とワクワクした感情が出たり、疑問に思って葛藤したりします。そして、「嘘をついてみよう」と行動に移し、周りの人の嘘を咎めない反応だった時には、「嘘は悪」という定義を、「嘘は楽しい、嘘ついても怒られない」と更新します。

 「定義する」→「感情が揺らぐ」→「更新する」、この繰り返しです。何となく、無意識に、漠然と毎日これを経験しています。「自分を知る」とは、これを自覚して、認識して、意識的に行うことを指しています。この定義が更新される流れを進化や成長と言ったり、認識拡大や次元上昇(アセンション)と呼んだりします。今までも、これからも自分を知りながら生きています。

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2 生きる努力

 そして、この経験を他の表現にすると、定義したのも自分がやったことであり、感情が揺らいだのも自分が定義したからであり、そこから更新するのも全部自分がやることです。そのため、人生での全ての経験について、「やりたいことをやっている」と言ったり、「決めたことが叶う」とか「信じていることを経験する」と言ったりします。

 感情が揺らぐ際に、「楽しい」や「嬉しい」などの良い感情であれば気になりませんが、「怒り」や「不安」などの「負(ふ)」と言われる感情だと、悩んだり、困ったり、苦しんだりします。「自分の思い通りに行かない」、「自分のやりたいことができない」と嘆きます。それを不幸や不運、嫌なこと、都合が悪いことなどと呼びます。世界には、自分の知らない様々なシステムやアルゴリズム、メカニズム、法則があるとよく言われます。

 しかし、前述のように、既に、多くの情報の中から自由に情報を取捨選択し、自由に何かを信じ、自由に言動しているのです。もう既に、やりたいことができています。これまでも願望は実現してきているし、これからも願望は実現してます。思い通りに生きています。

 未来のこと全ては、分かりません。今の言動の結果という未来を憂うのではなく、やりたいことができている今現在に感謝できます。やりたいことをしている今を楽しむことができます。 結果としての現実を、どう定義し、どの様な感情を持ち、どう定義を更新するかも自由です。自分にとって都合のいい様に解釈、理解することによって、自分で自分の機嫌をとり、意図的にいい気分で過ごすことができます。

 今をより楽しく過ごせる様にすることを努力と呼ぶことにします。その努力は、「自分を知る」ことです。刻々と変わる自分の感情や思考の機微を観察することです。今の感情に気づき続けることです。そうすると自分で「大丈夫」だと思えます。

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